ハリー・ポッターにおける善と悪の対立
J.K. ローリング著『ハリー・ポッター』シリーズにおける主人公ハリーと宿敵ヴォルデモートを比較し、善と悪の対立について考察する。
主人公であるハリー・ポッターは1歳の時に、当時闇の魔法使いとして恐れられていたヴォルデモートによって両親を殺害される。ヴォルデモートはハリーも殺そうとしたが、呪いの呪文が跳ね返り、実体を失うこととなる。ハリーは伯母家族の元で11歳まで過ごすことになるが、その間自分が魔法使いであることは知らされていなかった。その後、ハリーはホグワーツ魔法魔術学校の入学許可証が届いたことで、自分が魔法使いであることと両親の死のいきさつを知ることになる。ハリーがホグワーツ魔法魔術学校へ入学するのと同じ年に、ヴォルデモートは復活に向けて動き出す。その動きを阻止するために、ハリーはヴォルデモートと対立を深めていく。
ハリーとヴォルデモートは敵対する関係にあるが、完全に対照的な存在というわけではない。生まれ育った境遇、血統、双子の杖、魂と血の繋がりといった2人に共通する点が数多く描かれている。つまり、ハリーが完全なる善でヴォルデモートが完全な悪という関係にない。本発表では、善と悪を分けたのか、ハリーが悪へと進まなかった理由は何かという点について掘り下げる。
<参考文献>
Barratt, Bethany. THE POLITICS OF HARRY POTTER. New York : PALGRAVE MACMILLAN,2012.
Heilman, Elizabeth E. Harry Potter’s World. New York: RoutledgeFalmer, 2003.
Kern, M. Edmund. The Wisdom of HARRY POTTER. New York: Prometheus Books, 2003.
Rowling, J.K., Harry
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the Chamber of Secrets. London: Bloomsbury, 1998.
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---.Harry Potter and
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---.Harry Potter and
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---.Harry Potter and
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島田裕巳『ハリー・ポッター 現代の聖書』朝日新聞出版、2008。
ローリング、J.K.著、松岡佑子訳『ハリー・ポッターと賢者の石<携帯版>』静山社、2003。
---、『ハリー・ポッターと秘密の部屋<携帯版>』静山社、2004。
---、『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人<携帯版>』静山社、2004。
---、『ハリー・ポッターと炎のゴブレット<携帯版>』静山社、2006。
---、『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団<携帯版>』静山社、2008。
---、『ハリー・ポッターと謎のプリンス<携帯版>』静山社、2010。
---、『ハリー・ポッターと死の秘宝<携帯版>』静山社、2010。
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